ここ数日、日本の国家予算と国が抱えている借金について考えている。
1000兆を超える累積借金と今だ毎年増えている借金がこのまま永遠に続くことはない。
むしろ滝壺(破綻)はすぐそこまで迫っている。
いや、既に日本の一部は破綻してしまっている。
2007年に353億円の借金を抱えて破綻した北海道夕張市である。
弱冠34歳の鈴木直道市長が旗振り役として施設の統廃合、職員の給与削減を中心とした財政再建に必死に取り組んでいる。
例えば、6つの小学校を一つに統合したり、5つの市の出張所を廃止して市役所に統合したり。260人の市公務員を約100人に削減したり、年収を4割カットしたり。市民の負担も増しているし、行政サービスも確実に低下している。例えば、水道料金は東京目黒区の約2倍になったし、軽自動車税は1.5倍高くなった。ゴミ処理場も機能せず、埋め立てられている状態になっている。
こうした努力の結果、破綻後8年間で74億円返済できたという。
市長曰く、どれ一つとっても他の地方自治体ではできなかった事を破綻のショックで夕張ではできたとのこと。
しかし、人口は1万2000人から9632人に減り(2015年4月末)、特に若い人を中心に街を出て行っているという。
それでも僅かに使える財政で市営住宅を市内の中心に作ったりしてコンパクトシティの実現を目指し、行政サービスの効率化を続けている。
「夕張は高齢化率40%を超えているから大変ですよね、と言われるけれど、日本全体も45年後には同じに構造になるんです。」
夕張市長の言葉が印象に残った。
そう。
夕張市は「45年後の日本」を表している。
いや、実際に我々に残されている時間はそれほど多くはない。
夕張市と同じように滝壺(破綻)に落ちてから大きな痛みを伴う改革に乗り出すのか、その前にできる限りのことをするのか。
答えはあまりにも明確だ。
あとは勇気を持って実行するだけ。
今日大阪都構想の是非が問われる投票が行われている。
それもまた「いつ」「どのように」痛みを伴う改革をするかという国民一人ひとりの知恵と覚悟が問われている。
45年後の日本を決めるのは今の私たちなのだ。