「何事も大元まで辿らんと」
世論は三国同盟締結に賛成であり、海軍内にも同じ意見が広がり、盟友ドイツとの提携を勧める声が大きくなりつつあった。
それに反する山本の部下が「わが闘争」からの一部を紹介する。
「日本人は想像力の欠如した劣等民族だが、小器用で小利口でドイツの手先として使うなら役に立つ。」
三国同盟推進派はそんなことは何処にも書かれていない、と反論する。
それに対して、
「11章は都合よく削られている。
肝心な部分は抜け落ちているようだね。
何事も大元まで辿らんと大事なことを見落とすものだ」
と。
もちろん全ては後付けかもしれないし、伝聞でしかない。
それでも「大元まで辿らんと」正しい情報は得られないというのは真実と言って間違いない。
と言っても、
この言葉すら「大元まで辿らんと」真実とは言い切れない・・・