岡山のとあるラーメン屋さんで一人呑みをしていた時のこと。
マスターと気が合っていろんな話をしていた中で50才過ぎのマスターが残りの人生を楽しみたいと言って今「もんげーばなな」を作っている人のところに修業に行っている話を聞いた。
「もんげー」とは岡山弁で「すごい」という意味。(「ぼっけえ」も同じで岡山の中でも地域によって使い分けがされているらしい)
その「すごいバナナ」というのは、岡山で作られた「高糖度」「特濃の味」「高い香り」が売り純国内産のバナナのブランド名。
農業法人D&Tが作っているこのブランドバナナは1本がなんと600円〜1000円もするけれど、なんと皮まで食べられるという。
マスターの話では4000鉢も作っていて、それでも出荷が間に合わないのだそう。
「4000鉢・・・って、鉢って房のことですか?」
と尋ねると、文字通り「鉢」に植えていて、それが4000個もあるとのこと。
最初は普通に農地に植えていたものの有機栽培を徹底しようとすると隣接する農場で使われる化学肥料の影響があって、それを完全に断ち切るために「鉢」で栽培することにしたらしい。
その話を聞いて思い出したのは「農産物の輸出額が世界で一番多いのはアメリカだけれど、2番目に多いのはオランダ」という事実。九州とほぼ同じ面積のオランダが世界でも2番目に農産物の出荷額が多いというのは信じられないけれど本当の話。それだけ付加価値の高い農産物を作っている。
バナナは世界的に新パナマ病というバナナ特有の病気が広がり、世界的に供給量が激減するのではないかという話を聞いたことがある。
「もんげーばなな」は一本1000円もするということで、その代わりになることはないのだろうけれど、それでもブランドバナナという高付加価値が認められれば、購買力の高まっているアジア各国に輸出も夢ではないだろうし、供給力の下がった他国のバナナの代わりの一部を担えるかもしれない。
ラーメン屋のマスターには「それ絶対面白いですよ。岡山は桃もマスカットも有名だし、フルーツ王国としてブランド力をつけるのはうってつけですよ。なんとしてでも潜り込んでものにすべきだと思います」とアドバイスしておいた(?)。
そんな「もんげえ話」を聞いて他人事ながら夢が広がった。
なんとかコラボできないものかと・・・