サッカーワールドカップの中一次予選最終戦の日本の戦い方が物議を醸している。
試合開始前に勝ちか引き分けで予選突破と言われていた試合も格上のポーランド(FIFAランキング8位、ちなみに日本は61位)に先制点を奪われ、予選突破が危ういと言われていた時のこと。
同グループのもう一試合コロンビアVSセルビア戦でコロンビアがリードし、セルビアと日本が得失点差も同じ、フェアプレイ基準で僅かに日本が優っていることがわかった途端に自陣内でボール回しが始まった。
時間稼ぎの常套手段とは言え、負けている局面での安全策にスタジアムからブーイングの嵐が巻き起こった。
恐らく夜中にテレビの前で応援していた多くの日本人サポーターも同じ気持ちになったのではないか。
案の定、試合後からは非難の声と容認の声の両方がネット上でもテレビからもリアルの場でもかまびすしい議論が引き起こされている。
- 負けている試合で時間稼ぎなんて信じられない
- フェアプレイポイントでセルビアに勝っても真のフェアプレイとは言えない
- 一生懸命応援していたのに情けない。子どもたちに見せられない
- 一次予選突破という目標達成のためにリスクを減らす最善の策だった
- 予選突破だけでなく、決勝リーグの展開を考えての選手温存は懸命
- 結果が全ての世界で当然の戦略
筆者の意見は「どのレベルで考えるか」で取り方は変わると思っている。
確かに見ていて残念だったし、気持ち的には悲しいとさえ感じたし、子どもたちに「打算的」ということを奨励・・・までは行かずとも「容認」するというメッセージを発することになるのではないかという懸念もあった。
と同時に、もし潔く攻めてカウンターを食らって失点したり、果敢に攻める中でイエローカードが出て、結果として決勝リーグに上がらなかったとした時のバッシングと残念感は尋常ではなかっただろう。
そもそも当事者である日本代表監督と選手たちが決めたことに外野がとやかく言う権利はない。いや、サポーターだから権利はあるのだろうけれど、それは応援する醍醐味の一つにしかならず監督や選手は堂々と自分たちの決定と結果に胸を張ればいい。
もしそこに胸を張れない何かがあるのなら別の話だ。
そうこうしているうちに監督が謝罪したという。
どのレベルで考えるかだけれど、それならあの戦い方はなかったと思わざるを得ない。
謝罪はなかった方がいいと思うのは筆者だけであろうか。