氷山の一角


「氷山の一角」という表現を使う時は海中(目に見えない部分)に隠れているものの大きさを意識させたいことが多い。



プレゼンテーションの落とし穴の一つは伝えたいことが多過ぎて、焦点が定まらないこと。あれも言いたい、これも伝えたい、というのは人前で話をすることの多い人なら誰もが一度は経験しているはず。



そんな時に思い出すべくは「氷山の一角」という表現。



聴衆によかれと思ったり、知らず知らずのうちに自己満足のために知っていることや調べたことを全部伝えたくなったりするが、その気持ちを抑える秘策が「氷山の一角」だ。



聴衆が一つのプレゼンテーションで受け止められる主題は多くて3つ。具体例やエピソードを散りばめてもそうは変わらない。



最終的に聴衆が得ることの質と量を考えると情報量を増やしたい気持ちにブレーキをかける必要がある。その時「氷山の一角でいい」と自分に言い聞かせ、信じることが一見頼りなく感じられるプレゼンテーションの内容を最も効率よく聴衆の意識下に定着させる方法なのだから。



「氷山の一角」という表現を敢えて反対に使うことでプレゼンテーションスキルを上げられる・・・というのはプレゼン能力全体を磨く「氷山の一角」と言える。