何年ぶりになるだろう。
バッティングセンターに来ている。
これが最近のバッティングセンターのスタンダードかどうかはわからないけれど、「デジタルフォートレス(要塞)」と化していることに少なからず驚いている。
入場すると自動販売機でプリペイドカードを購入する。1回分なら350円、3回分なら1000円、その他にも2000円分、5000円分とあって金額が多くなればなるほど一回(20球)あたりが安くなる。
7つあるバッティングゲージは投球スピードや変化球の有無、左右打席、軟式とソフトボールなどに分かれているものの、一番の選択基準はピッチャーだ。
ダルビッシュ有、田中将大、藤川球児、杉内俊哉他、日本プロ野球界を代表する投手陣がデジタル映像となって本当にそこから投げているかのように目に映る。スピードはもちろん調整できるけれど、ちょっとした対決気分が味わえるのが何とも楽しい。
20球で300円を超えるのには正直驚いたけど、肖像権云々もあってそれ位になってしまうのだろう。
デジタルの世界に侵食されているのはバッティングだけではなく、ピッチングも同じ。野球だけでなく、サッカーのPKもあるし、卓球もある。1000円分のプリペイドカードはあっという間になくなってしまった。
「デジタルフォートレス」で体験した「バーチャルワールド」は驚きと楽しさを与えてくれたけれど、心の中に一抹の不安を残したことも事実。
進化し続けるデジタル技術が生み出す「バーチャルワールド」についてまた別の機会に考えてみたい。