「守破離」(しゅはり)という言葉をご存知だろうか。
日本の伝統的な武道や茶道、芸能の世界でよく使われる言葉である。
「守」とは初心者が指導者の話をよく聞き、長い歴史の中で培われた型を「守る」ことから修行を始めることを指す。
経験を積み、技術を磨き、型をマスターした人は、次のステップとしてその型を「破り」、自分に合った新しい型を作っていく。
更に、心と技を磨き続けていくことができれば、指導者の型から完全に「離れ」、自分独自の世界観や型を構築し、技だけの進化にとどまらず、その世界全体を発展させていくことができるようになる。
その3つに分けられた学び、習得のステージを「守破離」(しゅはり)と呼ぶ。
「守破離」の考え方は武道や伝統芸能だけにとどまらず、普段の我々の生活にもっと取り込んでいけるのではないかと感じた。
新しい何か、例えば楽器やスポーツを習う時はもちろんのこと、新たな分野の勉強をするのも、仕事を身につけるのも、人とのコミュニケーションや家族や友人との人間関係でさえも当て嵌めて考えることができる。
長い歴史を歩んできた我々祖先の経験や知を効率的に身につけられる一つの方法だ。