勝手な天井

勝手な天井



を決めてはいけないと改めて感じた。



昨日の日経新聞にこのような記事が掲載されていた。(2013/1/29)


 Q 米国に次ぐ世界2位の農業輸出国はどこ?
 A オランダ

 
 国土が九州ほどしかない同国の輸出額は2008年、790億ドルと日本の30倍に達した。支えたのはIT(情報技術)を駆使した農業経営だ。
 首都アムステルダムから車で40分。「フードバレー」と呼ばれるIT農業地区に植物工場が軒を連ねる。今春には東京ドーム約20個分にあたる100ヘクタールの工場もできる。
 「まるで証券会社のトレーディングルーム」。視察した三菱総合研究所主任研究員の伊藤保(45)はモニター類で一杯の制御室に面食らった。トマトでは単位面積当たり収穫量が日本の3倍だ。
 ノウハウを伝授するのは環境システム会社のプリバなど3社。海外にも手法を「輸出」し、ネットでつないでさらに効率的な栽培法を解析する。
 目指せオランダ。富士通やNECは作物の生育データを収集、農家の生産性を高める「農業クラウド」を本格化する。昨夏には富士通など14社がシステムの標準化を目指す「スマートアグリコンソーシアム」を設立。技術輸出も視野に入れる。
 「来ーい、来い来い」。大分県久住高原にある九州大の実験牧場。准教授の後藤貴文(48)がスマホを操作するとスピーカーから声が流れ、放牧牛が給餌場所に集まってくる。スマホには餌をほお張る牛が映る。後藤は「出張先のドイツからでも観察できた」と笑う。

「遠隔放牧も」

 九大とNTT西日本が進める放牧牛の遠隔飼育システムの実験現場だ。牛に付けたセンサーと牧場のカメラで1頭ずつ管理する仕組みを目指す。徹底的な省人化で大規模牧場を運営し、畜産業の担い手不足に対応する。「全国の耕作放棄地を使った遠隔放牧も可能になる」と後藤は期待する。
 日本の放棄地は埼玉県に相当する40万ヘクタール。オランダの例を見ても国土の狭さが大規模農場不在の言い訳にはならない。
 世界的にも農産物の生産性向上は喫緊の課題。国連食糧農業機関(FAO)は50年に世界人口が90億人を超え、今より1.7倍の食料増産が必要になると推計する。
 20世紀後半の50年、穀物生産は品種改良と大規模生産で人口の伸びを上回った。だが次の半世紀、ネットを駆使しさらに生産性を高める「賢い農業革命」が人類共通の課題になる。以上



TPPについての議論が相も変わらず引き続いているこの国の農業関係者の自己評価はあまりにも低い。低過ぎる。



農業関係者だけではなく、日本人の多くが我々の土地でできることに関して「勝手な天井」を設け、自分達の限界を低いところに設定し過ぎているのではないか。鍬の取っ手(?)で頭を殴られたかのような衝撃を受けた。



翻って自分の身の回りのことを考えても同じことはゴロゴロ転がっている。



自ら「勝手な天井(限界)」を決めて、それ以上の世界や自分の可能性を追究することなく狭い部屋(=井の中)に閉じ籠っていることが。



上述の日本の農業もこれまでの農業のことだけを考えるとどうしても天井(限界)は低くなってしまう。天井の上の世界を垣間見るために梯子という道具を使うことで視界と世界は一気に広がる。それがここではITであり、バイオということ。



「勝手な天井」の上に架ける梯子のような「思考の補助線」を意識することが無限の可能性(世界)を楽しむ鍵であることを発見した。